2014年は、僕のパチスロ人生の中でもトラブルの多い年でした。今日はその中でも一番記憶に残っている、持ち逃げされたお金を取り返しに東京ビッグサイトのダーツ大会まで乗り込んだ話を書きます。
まず前提から。この年の僕は、旅打ちが終わった後で結構きつい時期でした。ライターという仕事が絶望的にやばくて、まったく有名にもならないし金にもならない。やべえと思って、別の稼ぎ方をやろうと軍団活動を始めた頃です。あるライターの人が一緒に店についてくれて、昔からの知り合いも合流して、3人でノリ打ちみたいな形になって、打ち子を集めようという流れになりました。
ところが、この一緒に組んだ人が結構性格のきつい人だったんですよ。短気で、すぐキレる。最終的に僕は、ノリ打ちをやめたいがために「お母さんが死にそう」という嘘をついて抜けましたからね。正面から「やめたい」と言ったら揉めるのが目に見えている相手だったんで。今思えば、コミュニケーションが合わない人と組むと収支もついてこないというのを、身をもって学んだ年でした。
そんな中で起きたのが、楽園大宮のグランドオープンです。
グランドオープンはガードが厳しくて、並んで抽選するやり方でした。募集で来てもらった打ち子にお金と整理券を渡して、「今日はよろしくお願いします」と送り出す。そしたらですよ。並んだはずの人が、列に戻ってこないんです。あれ?と思ったら、そのまま音信不通。お金ごと持ち逃げです。この時期、こういうことがめちゃくちゃありました。お金を渡した瞬間にいなくなる人が、本当に何人もいた。僕が悪いんですけどね。詰めが甘かったというか、完全に経験不足でした。
で、本題の回収劇です。
打ち子の中に、紹介経由で来た、わりとちゃんとしてて信頼できるなと思っていた人がいました。地元も近くて、飯にも行った仲です。その人にまとまったお金を預けたら、返ってこなくなった。連絡も返ってこない。ムカつくじゃないですか。ただ僕は、その人が板橋のダーツバーでバイトしていると聞いたことがあって、名前も覚えていたんです。
それでマジで回収しようと思って、そのダーツバーに電話しました。店長さんが出てくれて、事情を話したら「もしかして、お金が返ってこないとかですか」と。聞けば、そいつはとっくに店を辞めていて、僕と同じような被害がめちゃくちゃ出ていたらしいんです。そして店長さんがこう言うんですよ。「今度そいつがダーツ大会に出るらしいので、よかったら一緒に現場に行きませんか」と。
行きますよ、そりゃ。東京ビッグサイトのダーツ大会に、店長さんとオーナーさんと僕の3人で乗り込みました。
今思うと、あの現場で取り押さえるのに失敗したら、もう二度と会えなくなるわけです。会場はめちゃくちゃ広いし、僕の顔を見られたら逃げられる。だから僕らは会場でこそこそ待機して、ダーツバーの女の子に連絡を取らせて、そいつのいる場所まで誘導してもらいました。「絶対取り逃さないぞ」と3人で詰めていって、確保です。
本人は「今は手持ちがない」みたいなことを言い出しましたけど、店長側にも被害が出ていて、店の人たちはメンツ丸つぶれでブチギレですから、逃げ場はない。最終的にファミレスで、監視のもと支払いの誓約書を書いてもらって、預けたお金は何回かに分けて返ってきました。
こんなことをやりながらパチスロを打っていたんだから、そりゃおかしくもなりますよね。この年は、知らない地域で複数人を動かす大変さも思い知りました。東京でしか稼働したことがなかった人間が、いきなり地方で何人も使うのは本当に大変で、お金の管理も人の管理も、全部が中途半端でした。
ただ、この失敗があったから、後の僕は「誰を雇うか」「どう管理するか」を死ぬほど考えるようになったんです。人にお金を預ける怖さも、それでも人と組まないと届かない規模があることも、全部この年に叩き込まれました。授業料としては高かったですけど、返ってきたのはお金だけじゃなかったなと今は思います。
記事内Q&A
Q. 持ち逃げって、そんなに頻繁に起きるものなんですか?
A. 当時の僕の周りでは、本当に何度も起きました。お金を渡した打ち子がそのまま消えるんです。原因ははっきりしていて、僕の採用と管理の詰めが甘かったから。お金を扱う組織で経験不足のまま人を増やすと、ほぼ確実にやられますね。
Q. よく居場所を突き止められましたね?
A. 普段の雑談を覚えていたからです。バイト先の店の話と名前。それだけの情報でも、電話一本かけたら同じ被害者だった店長さんに繋がって、現場まで案内してもらえました。人と会ったら細かい情報を覚えておくものだなと思いましたよ。
Q. この経験から一番学んだことは何ですか?
A. コミュニケーションが合わない人と組むと収支までダメになる、ということです。腕やノウハウの前に、誰と組むか。2014年の僕はそこを全部間違えました。だから後になって、人選びと管理を何よりも重視するようになったんです。